VR SENSE(ブイアール センス)

実機について 2017年12月22日、コーエーテクモゲームスから登場した、バーチャルリアリティ(VR)体験マシン。
二社合併以来初となる、業務用ゲーム筐体である。
企画はコーエーテクモウェーブ・ゼネラルプロデューサーの襟川恵子。
システムは「プレイステーション4」専用VRシステム(PSVR)を、「VR SENSE」向けにカスタマイズしている。

カプセル型にデザインされた大型筐体である。1人プレイ専用。
後に外部から体験を覗き見られないように、入り口付近にカーテンが追加された。
筐体内部は座席(多機能3Dシート)と、正面足元には貴重品ケースが用意されている。
この貴重品ケースは盗難防止のため、VR体験中は自動的にロックされる安全設計となっている。
VRコンテンツが更にリアルに体感出来る様に、筐体内部に8つの機能が装備されている。

  • 香り機能…コンテンツの内容に沿う香りが放たれる。8種類の芳香が用意されている。
  • 暖機能…温風を吹き付けて炎の熱さを体感する。
  • 冷機能…冷風を吹き付けて冬山の冷たさを体感する。
  • 風機能…そよ風〜強風まで、様々な強さの風を再現する。
  • ミスト機能…霧状の水を吹き付けて雨や湿気を体感する。風と組み合わせて様々な気候も再現出来る。
  • 足部タッチ機能…ホラー系コンテンツ等で、体験者の足に何かが接触した様な感触を与える。
  • 頭部タッチ機能…体験者の頭に何かが接触した様な感触を与える。
  • 多機能3Dシート…コンテンツの内容に沿って座席が可動する。シートベルトが付属する。
多機能3Dシートには"前後加速・上下動・突き上げ・振動・斜め傾斜"など5つの機能も搭載されており、更にVR体験を盛り上げる。
座席から見て正面下にある投入口に所定の料金を入れて着席し、据え付けられている「プレイステーションVR」用HMDを装着する。
続いてHMDのピント調整、ヘッドホンやシートベルトの装着を行う。
他のVR体験施設と異なり、これらの準備は体験者自身が一人で行える様に配慮されている。
体験中の操作も、備え付けの「プレイステーション4」用コントローラーを用いる。
筐体は「スパーリングブルー」と「スパーリングシルバー」の2種類があり、搭載されているVRコンテンツが異なる。
1つの筐体に3種類のコンテンツが搭載されているが、最大5種類まで追加する事が可能。
【スパーリングブルー】
  • 「超 戦国コースター」…戦国時代を舞台に、城下町・城内・戦場へとジェットコースターで駆け巡る。
    時間帯も「昼」「夜」から選択可能。「石田三成」や「真田幸村」など、実在の武将を選んで一緒に乗る事も出来る。
    コントローラーで迫りくる敵を攻撃する。

  • 「3Majesty×X.I.P.DREAM☆LIVE」…コナミデジタルエンタテインメントから配信されているスマートフォンアプリ
    「ときめきレストラン☆☆☆」に登場する、架空の男性アイドル達のライブを楽しむ女性向けコンテンツ。
    ライブを楽しむ視点を左手側・正面・右手側から選択する。それぞれの視点は演出も異なる。
    コントローラーで手持ちのペンライトを動かしたり、色も変更できる。
    音楽ゲームの要素もあり、タイミング良くペンライトを動かしてスコアを稼ぐと、視点がアイドル達に接近する様になる。

  • 「ホラーSENSE〜だるまさんがころんだ〜」…廃校で子供の幽霊から「だるまさんがころんだ」で遊ぼうと誘われる。
    幽霊が顔を隠している間に前進出来るが、顔を上げた瞬間に動いてしまうとゲームオーバーとなる。

【スパーリングシルバー】

  • 「超 真・三國無双」…コーエー時代からの人気作品「真・三國無双シリーズ」のアレンジ移植。
    味方の武将と共に、次々と攻め来る敵の大軍を刀や弓矢で倒して突き進む。

  • 「DEAD OR ALIVE Xtreme SENSE」…テクモの人気格闘ゲーム「DEAD OR ALIVEシリーズ」の外伝作品
    「DEAD OR ALIVE Xtreme」をアレンジ移植。同作品に登場する女性キャラクターと南国のビーチで遊ぶ。
    女の子に顔を近付けると香りがしたり、シャワーを浴びている側では水飛沫を体感出来るなど、VRならではの演出となっている。

  • 「GI JOCKEY SENSE」…コーエー時代からの人気作品「GI JOCKEYシリーズ」のアレンジ移植。
    体験者が騎手となって競走馬に乗り、広大な競馬場を疾走する。ランキングにも対応している。

今後の展開として、「進撃の巨人」「戦国無双」などの新たなVRコンテンツの制作や、各コンテンツへのキャラクター・ステージの追加、
専用アプリによるスマートフォンとの連携など、プレイヤーを飽きさせない様々なバージョンアップが図られる。


【参考資料】

コーエーテクモウェーブ「VR SENSE」公式サイト
(http://www.gamecity.ne.jp/vrsense/)

Social VR Info(株式会社ビジブル)
「コーエーテクモ、新規VR筐体「VRSENSE」を発表…PSVRとPS MOVEを利用し、筐体には匂いや風など様々なギミックを搭載」
(http://svrinfo.jp/detail?p=177955)

電ファミニコゲーマー(ドワンゴ)
「夫(社長)の反対を押し切りVR筐体を開発!? 異例の社内ベンチャー設立経緯から世界平和の野望まで、
“名物夫人(会長)”のゲームへの深い愛【コーエーテクモ:襟川恵子インタビュー】」
(http://news.denfaminicogamer.jp/interview/171013)

2018年3月の作品テーマは「テクモ」(旧社のテーカン、更に現在のコーエーテクモゲームスも含む)でございます。
一連のミニチュア作品は1月末から制作開始。特に「VR SENSE」は今回の目玉として最初に手掛けたものの、
失敗と手直しを繰り返した結果、一番最後に完成となりました。
曲面の加工は熱を一切使用せず、プラ板を箱組にして裏側にエポキシパテを盛り付けて地道に削りました。
あまり好きじゃない加工法なもんで、完全にパテが埋まってない部分もチラホラと…
内部も殆ど見えないのを良い事に、細かく作り込んでいません。
苦労した割には、ちょっと納得いかない出来栄えになってしまいました。

バンダイナムコエンタテインメントの「VR ZONE」、セガの「VR AREA」、タイトー(スクウェア・エニックス)の「VR GAME STAGE」…
1990年代に一時期ブームになっていた「バーチャルリアリティ(VR)」が、業務用・家庭用・スマートフォンアプリ向けなど、
新しいエンターティメントとして再び脚光を浴びています。
そして、コーエーテクモゲームスも「VR SENSE」を引っ提げて、このジャンルに参入となりました。
早速、作者も地元から近い、大阪日本橋の電気街にある「タイトーステーション日本橋店」へ!
最近、家庭用ゲーム機でも競馬ゲームに凝り始めてるので、とりあえず「GI JOCKEY SENSE」を体験してみました。
シートからの振動に、正面から吹き付ける風と合わせて、本当に馬に乗って疾走しているような感覚でした。
体験料金は少々お高い気がしますが、どのコンテンツも基本的にステージクリア式になっていて、
ゲームに慣れれば長い時間体験出来るので、ある意味お得かも…
長期間稼働したコンテンツは「PSVR」へ移植も検討しているらしいので、今後の展開に期待したいところですねぇ。
作者としては、業務用で遊ぶにはちょっと恥ずかしい「DOA Xtreme SENSE」を、自宅で堪能したいなぁ…(笑)


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